丸紅株式会社(以下、「丸紅」)は、タイ王国(以下、「タイ」)で廃タイヤの熱分解リサイクル事業(以下、「本事業」)を展開するGreen Rubber Energy Company Limited(以下、「GRE」)に出資参画。
世界では年間3,000万トン以上のタイヤが廃棄され、環境負荷の高い埋め立てや焼却により処理されており、この対策として各国で廃タイヤ処理に関する規制の導入・強化が進んでいる。また、タイヤメーカー各社は、地球環境に配慮したタイヤ製造を実現するために再生可能原料比率の向上を掲げている。このような背景から、環境負荷を低減する方法として、廃タイヤをタイヤ原料に再利用するリサイクル技術への注目が高まっている。
GREは、廃タイヤの熱分解により、再生カーボンブラック(recovered Carbon Black。以下、「rCB」)や再生油などを取り出す技術開発に10年以上取り組んできた。これまでrCBは不純物の含有等による品質の不安定さから、タイヤ原料としての再利用が技術的に難しいとされていたが、GREは、タイヤ用途に利用可能なrCBの安定的な生産を実現。
丸紅は本事業への出資参画により、タイにおける廃タイヤの回収から、rCB・再生油などのリサイクル原料の生産・販売までに至る、タイヤのリサイクルサプライチェーンの構築を目指す。丸紅グループのネットワークを活用し、丸紅の子会社でタイ最大手のカーメンテナンス事業会社であるB-Quik Co., Ltdが回収した廃タイヤのGREへの供給、丸紅が出資参画するドイツRCB Nanotechnologies GmbHの技術を用いたrCBの高純度化による用途拡大、丸紅の子会社でゴム原料や副資材の調達・販売を行う丸紅テクノラバー株式会社の販売網を活用したrCB・再生油の拡販などを行う。将来的には、日本や東南アジアをはじめ世界各国で、本事業をモデルケースとしたタイヤのリサイクル事業を展開していくとしている。
<丸紅がタイで構築するタイヤのリサイクルサプライチェーン>

引用:リリースページより